今回、以前 私がトレーナーとしてダンサー達と向き合ってきた時のお話をしたいと思います。
私はエンターティナーダンサーとして12年間、毎日ショーに出演してきました。ある年の年末、かけこみで舞い込んできた最終仕事が、ある「外部ダンサー」の仕事でした。この仕事がその後の人生でとても大きな財産となる「出会い」を私にもたらしてくれました。
そこでは、はじめの数年間をいちダンサーで過ごし、ある年に「出演エンターティナー兼育成トレーナー」の任務を授かります。
「出演エンターティナー兼育成トレーナー」とは一体どのようなことをするのかといいますと、ざっくり言いますと、素晴らしいダンサーをプロの「ダンサー」にする任務です。現役ダンサーたちは、契約更新オーディションを受けなくてはなりません。このオーディションで合格しないと契約終了となります。
現役ダンサーも、その鍛錬を怠ると技術は確実に下がります。表現はお手のものでも、そこに圧倒的な技術が保たれていなければ、代わりはいくらでもいる世界です。厳しい世界ですが、その世界で経験できることのすべては、きっと演者に素晴らしい価値をもたらしますし、自身も一流のショービジネスを経験してこれたことに、いまでも感謝でいっぱいです。
さて、完全に脱線しましたがここから今回の本題に移りたいと思います。
ある年、オーディションで不合格となった 「上位」のダンサーを対象として、1年かけて育成を行い、翌年の合格を目指すことを行いました。不合格の上位ともなれば、たいてい技術はプロの水準に達しており、その年に求められる採用にマッチせず、合格を勝ち取れなかったという方々です。そこで、私も講師として担当させていただきました。
なにせショーの合間に候補生にレッスンするため、つけまつげバリバリの本番用メイク。頭は直ぐにウイッグを装着できるよう、毎回ネット姿の講師でした。テクニックの習得、フィジカル面を活かした魅せ方、メンタル面の強化トレーニングも行います。様々な形状のステージがあるため、ステージごとに怪我の事前予防策も季節ごとの対策も必要になります。
その際に垣間見えた「目指す夢を叶えるひと」には、
共通して以下の傾向が見てとれました。
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1.頑張ったぶんだけ結果に繋がるとは思っていない
頑張っているのは当たり前。その中で、どうすれば上手くいくのか、知識や経験が必要。初めから、頑張ってすぐに結果が出ないものと考え継続することに力を注げている。
2.0か100で考えていない
やってみると改善も必要になるので、100でも200でも、経験を積みに動き出している
3.現在の状況を向上させるためのトレーニングプランを自らつくれる
例:
テクニック的要素(各技術要素のつなぎ)
フィジカル的要素(筋力の強化・筋バランスの改善など)
4.目標達成のスケジュール作成ができる
例:
目標とする地点から逆算し、
細かい目標設定や課題の作成ができている
5.練習量を減らし質をあげている
本番前は調子をあげていくためそれまでの練習量を減らし、逆に質をあげることでキレを出していく思考がある
6.身体のメンテナンス
ほぐしすぎると本番で力が入らないので、信頼できる接骨院で常に身体を整えている
7.本番中をイメージしている
審査中のイメージはもちろんですが、朝起きてからどんな流れでスタートするか重視し事前にイメージしている。審査中はやってきたことしか発揮されないのでそれまでの準備に集中している
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すみません、
100カウントまでこの調子で続けられるのですが、すでにかなりの長文に…
その1年で翌年の合格を果たしたダンサーの多くは、その後パレードやステージショーで大活躍!!受講生が仲間になる、大変幸せな経験をさせていただきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!