夢の途中

企画本部
渡辺かおり
2021-10-26

少し前のことになりますが、ここ数年YTJで作曲に携わらせて頂き始めてから、色々なミュージカルを通して私の身に起きたことについてお話をしたいと思います。

私は、wordplay全編曲と、WORLD MUSIC音楽監督で、ミュージカル作曲家になりたいという長年の夢を叶えました。他、有難いことに作曲面でそれ以外のプロジェクトにも携わらせて頂く機会もあります。

ここ2年程は、コロナに始まり本当に色々なことがあり、私自身もたくさんの経験をさせて頂き、何度も転んでは起き上がりました。
そして、色々なことがあったからこそ、今まで自分に生きる力を与えてくれていたミュージカルが、大好きだったミュージカルが、好きとは言えなくなりました。

様々な分野の方に同じような現象が起きると聞いたことがありますが、それまで大好きだったミュージカルに目があてられなくなりました。
ミュージカル情報を見なくなりました。
ミュージカル音楽が聞けなくなりました。
部屋にあるミュージカル関連のDVDや本を見えないように隠しました。
「ミュージカル」という文字を見るだけでも心が痛み、目を背けるようになりました。
今まで自分の中にいた自分が、どこかへ行ってしまいました。

それでもいつか、何年後かにそんな自分が帰ってくることを、心のどこかで確信していました。


そんな中、WORLD MUSICで、出演者が最後に舞台で、自分の携わった音楽で、笑顔で歌って踊るのを見た時、「ああ、これで良かったんだ」と思いました。例え今がどうであれ、自分のやってきたことは確かにメンバーの何かに繋がったんだと思いました。

WORLD MUSICのAmericaの日本語歌詞案に書きましたが、「『そんな夢で食べていける訳がない』と人は言うけれど、じゃあ絶対にできないという証拠をみせてよ」という持論があります。
まだまだ私も夢の途中だけど、もし自分の夢に対し昔の自分のような暗い気持ちを持つメンバーがいるのであれば、今度は私が背中を押す番だと感じました。
自分の可能性を決めるのはいつだって誰かではなく、自分自身です。
締切に追われる時も、それでメンバーの公演が少しでも良くなるなら、笑顔に繋がるならと、最近は特に強く思い、活力をもらうようになりました。


先日関東で大千秋楽を迎えたWORLD MUSICにおいて、たくさんの出演者、保護者の方やスタッフの皆様とお話することができ、たくさんの方のお力で舞台を上演することができ、留守にしていた自分も少し戻ってきたようです。
ただ、今まで通りの自分ではなく、確かに経験を積み、一つ成長した自分になれたと思います。
皆様と関わらせて頂いたことが、私の大きな経験となり、強く前を向く源となりました。
ありがとうございました。
全てのプロジェクトにおいて、全ての皆様のお力で成り立っていること、感謝の念を忘れません。

今後におきましても、Joseph・EVEと公演・イベントは続きます。
メンバー・YTJと共に、私も成長していきたいと思います。

18期は、作曲家としてもう1ステージ上がってYTJに貢献できるよう、日々の作曲勉強を楽しみながら頑張ります。

ここまでお読み頂きありがとうございました。